春は巡る

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たくさんのミモザを戴きました。鎌倉からの贈りものです。
箱をあけると、甘すぎることのない、爽やかな春の匂いが漂います。

何年も前のこと、スタッフと旅した3月のパリ。
道端には水仙を売る子供たち、花屋さんにはたくさんのミモザ、カフェの入り口にはプリムラと芽を出した玉ネギの植えこまれた木箱、ノートルダム寺院の花壇の幾百ものヒヤシンス、市場には山盛りのタンポポの若葉。
どれも春を祝い愛でる心意気。ミモザの香りで思い出しました。

おすそわけいただいた桜や桃のひと枝、今、秘やかにテーブルで咲いています。
明るいミモザはいたるところに飾り、また、おすそわけしました。
巡る春は、それぞれの小さな春を慈しむ心にも、巡りあわせてくれるのです。

萩尾エリ子 / simples