麗しくあれ

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雪はさらさらと静かに積もり、薄い肌掛けのように軽い。
幾重にも厚さを変えて、天の布団は舞い降りる。

立ち枯れた草の下、土は春の夢を見、
私もまた、菫や水仙に出会うこと、
この雪が夏をも潤すことを思う。

新たなる年、天の配分が穏やかで、麗しきよう。
つつがなき暮らしに心して。

萩尾エリ子 / simples