小さなお皿

【写真】
花壇の縁どりに、扇状の貝殻を置いた。
小樽の市場で買った、山盛りの小さなホタテ貝。友は蒸してバターをそえる。

美しい殻を持って帰りたいと言うと、友のパートナーはいつの間にかそれをきれいに洗ってくれた。
彼のことを私たちは「ラスカル隊長」と呼ぶ。皿洗いという役割を楽しく、長いこと続けてきた人。
私のまわりにもラスカルがいる。
うちの息子たち。働く女性を支える連れあいたち。

小さな貝は輝いて、蓼科の土に光れば、小さな男の子が手にとって遊びはじめる。
君もいつか、ハンサムな洗い熊の道を進むのだよと、そっと願ってみた。

萩尾エリ子 / simples