春ひとつ


冬の講座に欠かすことのできないのは花。
白い季節だからこその花たち。

毎年戴くジャスミンは今年不調という。
声をかけた懇意のナーセリーが、バットごと苗を運んでくれた。
「好きなものを摘んで」と渡された緑。
ニオイスミレ、デイジー、ワイルドストロベリー…。
小さな花が健気に咲いている。

春を分けてと頼めば、鎌倉や千葉からも花が届いた。
惜しみない友情に支えられ、心づくしの講座が始まった。

萩尾エリ子 / simples