再び


会場は、ハーブの香りに溢れた。
最愛の友が、場を開き育てた場所。
その人はもういない。

北の大地の人たちはとても優しくて、とても温かかった。
おひとりおひとりに差し上げる香りの花束は、友と紡いできた言の葉。

もう一度会いたいと、何度思ったことだろう。
でも、あなたはここにもちゃんといた。

萩尾エリ子 / simples