蓼科レイ

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ひとりのフラダンサーのために、初めて髪飾りを作りました。
その夜は、お別れの日。きっと踊ってくれるだろうと、内緒で用意した花飾りです。
デイジー、アリッサム、ムスカリ、クレマチス、シンピジューム、水仙‥‥
ほとんどが、鉢植えの花です。

彼女の踊りには、ひととき、ハワイの風が吹き、柔らかな光が舞い降ります。
「こんな幸せなフラダンサーはいません」と、心をこめて踊ってくれました。
いつもの美しい南の風に、蓼科の透きとおる光が混ざっていました。

お疲れさま。踊り手は、共に過ごした私たちのスタッフでもありました。
それぞれの出発の月。アロハ、光と憧れを抱えて、飛びたちなさい。

萩尾エリ子 / simples