花の輪は巡る

img0911LG

緑の葉に包まれて、美しいレイが届いた。
送り主は、別れの日に私の作った花の輪をつけ、フラを舞った。
6月の病院の庭、草の上、光と共に踊ってくれた。

「私に足りないものは作物を育てること」と、ここを去り、
彼女は農家で働きながらフラを続けた。

もう足りないものなどない。これは貴女の、自らに贈る祝福のしるし。
花は巡り、秋ははらはらと錦を散らす。

萩尾エリ子 / simples