巡りに幸を

【写真】
東北の地に花々と香りを携え行く人たちがいる。
巡るその日、無数の蜂蜜色のろうそくを灯すという。

その日を境に全てが変わってしまった人を想う。
私でさえ、このひと年、悲しみはさざ波のように訪れるのだから。

言葉を磨き、両の手を温め、今できることを少しずつ長く。
願わくは幼な子らが悲しむことのないよう。

萩尾エリ子 / simples