甘やかなひととき


町に住む人が届けてくれた、一枝の蝋梅。
月や日の光ではなく、蜜蝋の灯が似合う。

共に淡い香りを漂わせ、
見るものの波立つ心は凪いでゆく。

いつも、ひと息つくことを忘れないで。

萩尾エリ子 / simples