ひと粒の

img1104LG小鳥たちの唱う、命の巡る春を失わぬよう、
くりかえし、くりかえし、種を播こうと思う。
ずっと人は薬草という名の草花を、謙虚に慎ましく
育ててきたのだから。

祈りの手は、あらゆる優しいものを生み出してゆくことを信じる。
子供たちの未来の幸を願い守り、私たちの有りようを問いながら。

萩尾エリ子 / simples