秋のはじめの花物語

赤い花は蔓をのばし、
白い花により添うかのよう。

「私は霜が降りるまで。
あなたはこの庭を楽しんでね。
きっと、あの人が花束に入れるから」。

月の美しい夜が増えれば、
銀の光がブランケット。
お休みなさい。また明日。

萩尾エリ子 / simples