願うなら


ハンブルグからミュンヘンへ。
列車の旅は、亡き友との幸せな思い出のひとつ。
いつも飲んで食べて、一晩中話して、笑った。

空色のサンドウィッチ・ボックスは、最終地で買ったもの。
久しぶりに戸棚の奥から取り出して、卵サンドを入れた。
光の中で彼女を偲ぶ。

楽しかったね。
春になっても、秋が来ても、いつももう一度会いたいと思う。

萩尾エリ子 / simples